誰
すっと伸ばした手が
部屋の灯りを落とせば
白いシーツの波間を泳いで漂い
時に深く沈みゆく
そんな私の身体を 強く掴んで
胸に引き寄せるのは
誰
やさしい胸のぬくもり
幼子のように包まれる
私の 呼吸と共に
揺れる肩から 背を流れ
腰へと辿る指先
下りては上がり
また下りていく
辿る指先の痕には悦び
教えてくれたのは
誰
零れる吐息 桜色して
ひとつ溢せば
熱き唇に塞がれる
だんだんと熱を帯びて
吐息は深紅に変わるころ
強く強く 唇を塞いだのは
誰
夢のように流れて
夢のように零れて
夢のように溢れて
夢のように煌めいて
夢のように
大きく息をついた
夢のような
夢の中
あなたは
誰
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2017.09.28 22:39
2017.09.28 08:31